岸本学の名前が、性犯罪被害者に渡すべき示談金を着服した疑いの事件で大きく報じられています。岸本学は被害者支援を扱う元弁護士で、盗撮事件の被害女性が受け取るはずだった30万円を渡さず、住宅ローンの返済などに充てた疑いで逮捕されました。
注目されているのは、逮捕容疑となった30万円だけではありません。第一東京弁護士会は、11人の依頼者に渡されなかった示談金が総額1316万円に及ぶとして、2025年5月に岸本学を除名しています。当日の続報では、別の依頼者が400万円を10カ月待たされ、制度上の審査や事務ミス、FAXの不達、体調不良などの説明を受け続けた経緯も伝えられました。事件内容、言い訳とされた連絡、除名理由、報道写真、Xで出た意見を整理します。
岸本学は何をした疑い?
岸本学は、盗撮事件の被害女性から示談交渉を依頼され、加害者側から受け取った示談金30万円を女性に渡さず着服したとして、業務上横領の疑いで2026年6月17日に逮捕されたと報じられています。神奈川県海老名市に住む52歳の元弁護士と伝えられました。
女性は、岸本学が痴漢や盗撮など性犯罪被害者の支援に詳しい弁護士として紹介されていたことから依頼したとされています。示談金が振り込まれず、連絡も取れなくなったことを不審に思って警察へ相談し、事件が発覚しました。警察の調べに対して容疑を認めていると報じられています。

400万円を10カ月待たせた言い訳とは
6月23日の続報で明らかになったのは、逮捕容疑とは別の民事訴訟に記録された400万円の未払いです。報道では、強制わいせつ被害に遭った女性が2021年12月ごろ岸本学へ示談交渉を委任し、2022年4月1日に加害者側と400万円で示談が成立したとされています。岸本学は遅くとも翌日には全額を受領していました。
しかし、受領から10カ月が経過しても女性には1円も支払われなかったと伝えられています。女性が振り込みを求めると、当初は日弁連の援助制度に関する終結手続きや審査の遅れが理由として示されました。その後は、終結報告書を事務所側が提出していなかった、通知のFAXを受信できていなかったという説明へ変わったとされています。
さらに2022年8月以降は心身の不調を理由にしながら、「来週中」「遅くとも来週中」と送金時期を示す連絡が繰り返されました。それでも支払いは行われず、同年11月以降は女性からの連絡に応じなくなったと報じられています。単発の事務処理ミスでは説明しにくいほど、理由と期限が何度も変わっている点が続報の大きな焦点です。
事務所閉鎖後の民事裁判はどうなった?
女性は別の弁護士を通じて紛議調停を申し立てましたが、岸本学は答弁書を提出せず、期日にも出頭しなかったとされています。直接の解決を断念した女性は2023年2月に民事訴訟を提起しました。その後、港区新橋にあった「みせばや総合法律事務所」が同年3月末で閉鎖されていたことも判明しました。
住所調査を経て5月に訴状が届いたものの、岸本学は6月の第1回期日にも出廷しなかったと伝えられています。裁判では同年7月、岸本学に400万円と年3%の遅延損害金を支払うよう命じる判決が言い渡されました。被害を訴えた女性は、示談成立後も入金を待たされ、調停と訴訟まで進めなければならなかったことになります。
総額1316万円で除名された理由
第一東京弁護士会の公式発表では、岸本学は11人から示談交渉を受任し、2022年4月から2023年4月までに総額1316万円の示談金を受領したにもかかわらず、依頼者へ引き渡さなかったとされています。この行為などを理由に、2025年5月23日付で最も重い懲戒処分である除名となりました。
除名理由には、示談金の未払いだけでなく、合計42万3500円の弁護士会費などの滞納、紛議調停への不出頭、事務所住所の未届け、預かり金品に関する照会への未回答、X上での過激かつ著しく侮蔑的な投稿も挙げられています。複数の職務上の問題が重なった処分だったことが分かります。

逮捕後の2026年6月18日には、第一東京弁護士会が会長談話を公表しました。示談金を依頼者へ引き渡さなかった行為などを理由に、前年に除名処分としていたことを改めて説明し、市民相談窓口の機能拡大や厳正な対応を進める考えを示しています。

報道写真や公開プロフィールは?
報道映像を紹介する以下のX投稿では、岸本学本人とみられる顔が写った画像を確認できます。白いシャツ姿で移送される場面で、投稿内には事件内容も要約されています。
別の報道共有投稿でも、同じ移送時の姿と顔を確認できます。性犯罪被害者支援を掲げていた経歴と、示談金を住宅ローン返済へ充てた疑いの落差を伝える内容です。
岸本学は性犯罪被害者支援を扱い、女性向け法律解説書『おとめ六法』の共著者としても知られていました。第一東京弁護士会の犯罪被害者に関する委員を務め、メディア出演歴もあったと報じられています。依頼者がこうした経歴を信頼して示談交渉を任せたことが、事件の深刻さを際立たせています。
Xで見られた反応
Xでは、単なる金銭事件ではなく、被害者支援を掲げた専門家が依頼者を再び傷つけた構図を重く見る意見が目立ちます。元警視庁捜査第一課を名乗る投稿では、1回限りの着服ではなく、被害者の金を自分の金として扱う構図だとして厳しく批判しています。
別の投稿では、示談金が被害者へ届かなかったことで、支払った加害者側まで「示談金を払っていない」と扱われなかったかという疑問が出ています。金銭の未交付が被害者だけでなく、示談手続き全体へどのような影響を与えたのかという視点です。
過去の発言の激しさに注目していたという投稿からも、今回の報道内容はそれ以上に重大だという受け止めが示されています。岸本学の職業上の立場や発信内容を知っていた人ほど、今回の逮捕と除名理由の落差に強い衝撃を受けた様子です。
今後の焦点は示談金の流れと被害の全体像
今後の焦点は、逮捕容疑となった30万円以外の示談金について、刑事事件としてどこまで立件されるかです。弁護士会が公表した11人・総額1316万円の未払いと、今回の捜査対象がどのようにつながるのか、資金の使途や管理状況の解明が重要になります。
また、示談金が被害者へ渡らなかったことで、各示談の履行や被害回復にどのような影響が出たのかも見逃せません。岸本学の事件は、依頼者から預かった金を扱う弁護士の責任と、専門家への信頼が崩れたときの被害の大きさを改めて示す事件になっています。

